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【令和5年】 空き家の現状把握・傾向

【令和5年】 空き家の現状把握・傾向 空き家問題に関する記事

日本における空き家発生の原因

空き家が発生する原因として、大きく2つの要因が挙げられます。人口減少・少子高齢化による都市部への人口集中です。

人口減少は空き家問題における大きな課題点で、日本の人口は減少を続けており、国立社会保障・人口問題研究所から出ている資料によると、2020年を軸に将来人口を推測すると、2030年に約95%、2040年には約89%、2050年には約82%まで減少すると予測されます。

出典:表1-1 総数,年齢3区分(0~14歳,15~64歳,65歳以上)別総人口および年齢構造係数:出生中位(死亡中位)推計(国立社会保障・人口問題研究所)

人口が減少することで住宅需要が下がり、多くの家屋が使用されずに残存します。

総務省が令和6年4月には発表したデータによると 2023年10月1日現在で、空き家数はとうとう900万戸にまで到達し、空き家率も13.8%と過去最高を記録しています。その内賃貸・売却用や2次的住宅(別荘など)を除く空き家が37万戸も増加しています。

これは転勤や入院などの居住世帯が長期にわたって不在の住宅や建て替えなどの為に取り壊す事になっている住宅などが該当しており、全国各都道府県の市町村でも深刻な問題となっています。

空き家率が最も高いのは和歌山県及び徳島県で、また「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家率」を都道府県別にみると、鹿児島県が13.6%と最も高く、次いで高知県が12.9%、徳島県及び愛媛県が12.2%などとなっており、西日本で高い傾向にあります。

出典:「令和5年住宅・土地統計調査結果」(総務省統計局))

高齢化社会の進行は、世界各国が抱える社会問題ですが、特にその動きは日本で顕著であり、自宅を所有する高齢者の、老人ホームや高齢者住宅・子供宅への転居が起因となる空き家の発生。今後、団塊世代を含めた高齢者は急激に増えていき、それに伴い、空き家も更に拡大していきます。

全国の空き家率は一様ではなく、エリアによって偏りがあります。特に過疎地域では空き家率が高い傾向にあります。若者世代による都市部へのJターンが原因であると考えられ、都市部一極集中は、空き家が放置されやすい現状を引き起こす発端となります。子世代が都市部へ転居した後に、実家が空き家化するケースが多く、距離が離れることから放置状態が進む事例が多発しています。交通や生活における利便性の低い地域では、空き家問題は更に深刻化すると予測されます。

空き家が増えるということは、その地域に住む人も減少することを意味します。電気、ガス、水道といった生活基盤となるライフラインを維持することも困難となり、道路や通信、公共施設など、社会基盤となるインフラ老朽化にも繋がる深刻な地域問題です。空き家の増加は、地域コミュニティの衰退を促す原因ともなり得る重要課題です。

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